三谷龍二

三谷龍二Ryuji Mitani

木工作家

プロフィール

1952 福井市生まれ
1981 松本市にPERSONA STUDIOを開設
陶磁器のような普段使いの木の器を作り、それまで家具中心だった木工に、新たな分野を開く。また、赤と黒という漆の伝統色に「白漆」を加え、現代の暮らしに合う漆器世界を作る。絵画や立体作品も多数制作。

2011 松本市内に自身のギャラリー「10cm」を開設。
クラフトフェアまつもと(1985〜2012)、六九クラフトストリートなど、工芸と暮らしを結ぶ活動を続ける。

著書「木の匙」「僕の生活散歩」「生活工芸の時代(共著)」「工芸批評(共著)」(新潮社)「遠くのまちと手と仕事」(アノニマスタジオ)「すぐそばの工芸」(講談社)など。

デザインに対する想い

家を作ろうとした時、作品を作る建築家や、商品を作るハウスメーカーには出会えるが、できればその中間の、センスのいい大工さんのようなひとと一緒に作りたい、などと思う。生活道具においても、工芸作品と量産品の中間のようなもの。作りすぎのものはいやだが、かといって粗雑も困るので、その中間のものをいつも探しているようなところがある。でも、探すといっても特別なものを求めているわけではない。ただ普通に、正直につくられたもの。素材や仕上げを吟味し、過不足ない丁寧な仕事がしてあり、かたちが美しい日用品、というものだが、これがなかなか見つからない。思うに、これはデザインが暮らしの実感と離れてしまっているせいではないだろうか。作品としてのデザイン、あるいは商品としてのデザインはあふれるほどあるが、それぞれの都合が勝って、どこかで生活者の実感が置き去りにされているように感じる。デザインは、人の暮らしがすこしでも幸福になれば、と考えることなのだから、そんな生活品を作りたいと思うのである。

代表作品

  • 2010|十字皿

  • 2008|バット

  • 2005|白漆鎬片口

  • 1997|インセンスケース

  • 1986|ベビーズボウルとスプーン

  • 1984|バターケース