この度、日本デザインコミッティーでは、第728回デザインギャラリー1953企画展といたしまして、「How to 銅 能作の銅の用い方」を開催いたします。
富山県高岡市は、伝統産業が息づく地方都市ですが、特に鋳物で栄えてきました。仏具から出発した鋳物産業ですが、その伝統の技は長く伝承され、現在でも多くの人々に重宝されています。
今回、紹介する能作は、現代生活の中で活用される数々の商品を生産していることで、知られるようになりました。
錫の特性を生かした曲がる器、端正な形の風鈴など。また多数のデザイナーを起用した商品など、鋳物の可能性を広げる企業努力を重ねています。
今回の展覧会では、「音」に焦点を当てました。鋳物によって成形された風鈴の形とそこから流れる音色を鑑賞していただこうという趣旨の展開を図ります。
展覧会担当 小泉誠からのメッセージ
能作は、銅器を作り続けた高岡(富山県)の中で、地域で培った技術とともに、新たな素材や技術への試みを行っています。仏具を製造してきた高岡では、鈴や梵鐘(寺の鐘)をつくり「音」を奏でる技術に長けています。
能作はこの技術を活かして1999年に真鍮の風鈴を開発し、新たな市場への挑戦を試みました。音の鳴りにくい形でも音が鳴るように独自の火加減で素材を扱い、その技術にデザインを加えた製品を生み出し、疲弊している産地での活路を見いだしました。今回は、音とともに音の素である「真鍮」を伝え、伝統+素材+デザインで、地域で道を切り開いた能作の一端をご覧いただきます。
展覧会概略
- タイトル:第728回デザインギャラリー1953企画展
「How to 銅 能作の銅の用い方」 - 会期:2016年9月14日(水)〜10月10日(祝・月)午前10時〜午後8時・最終日午後5時閉場・入場無料
- 会場:松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 協賛:株式会社 能作
- 音の造形:伊藤隆道
- グラフィックデザイン:水野佳史
- 展覧会担当:小泉誠