この度、日本デザインコミッティーでは、第707回デザインギャラリー1953企画展といたしまして、「高岡2014クラフトコンペ AWARDS+」を家具デザイナーの小泉誠ディレクションの元、昨年に引き続き、開催の運びとなりました。
デザインにもクラフトの要素が必要とされる昨今の世の中の流れですが、高岡クラフトコンペティションの28年の歴史においても、受賞作品にはそうした流れが色濃く反映されてきました。そして、今年7月下旬、2014年度の応募作品の審査が行われましたが、受賞作品各種についてもその例に漏れません。
〈工芸都市高岡クラフトコンペ実行委員会より〉
富山県高岡市には、400年ほど前に加賀藩の日用品づくりから始まった「高岡銅器」「高岡漆器」に代表される多くの伝統工芸があります。その技術は「釣鐘」「仏具」の製造に受け継がれ、近代技術の発展とともに大手サッシメーカーなどの産業にも繋がっている全国有数の工芸地域です。
高岡市は「新クラフト産業・デザインの育成」「伝統工芸の保存・継承」「デザイン・工芸の啓発・普及」を目指し、代表的な活動として1986年から「工芸都市高岡クラフトコンペ」を実施しています。このコンペは、若手クラフトマンにとって登竜門としての役割を担うと同時に、2011年からは、今までのクラフトとしての「コンテンポラリークラフト」に加え、市場に流通することを念頭に置いた「ファクトリークラフト」という新たなジャンルを構築し、これからの「クラフト+デザイン+産業」という新たな価値観を模索中です。そしてここ数年、新たな試みとして「クラフツーリスモ」「クラフトマンズギャザリング」「デザインマッチング」等、地域の活動を伝える前向きな試みも行われています。
ただ、こうした活動を行っている高岡でも、価格優先のグローバル化の影響も大きく、各々が独自のヴィジョンを構築することを迫られている状況です。今回は、全国的に衰退している「ものづくり」の状況下、ひとつのケーススタディとして、ぜひとも高岡のクラフトを多くの方々に伝えたいと考えます。
高岡で生み出されたクラフト作品を一堂に展示する企画展です。ご高覧下さい。
会場では、コンペの入賞作品と優秀作品を展示&予約販売するほか、高岡のクラフト・デザインを支える作り手たちやコンペの28年の歴史を紹介します。また、関連企画として、高岡市内の伝統工芸企業で新たなデザインにチャレンジする株式会社織田幸銅器、株式会社山口久乗の販売コーナーも設置されます。
デザインギャラリー1953を中心に展開する高岡の姿を多面的にお楽しみ下さい。
入賞作品についてはこちらをご覧ください
www.ccis-toyama.or.jp/takaoka/craft/
展覧会概略
- タイトル:第707回デザインギャラリー1953企画展「高岡2014クラフトコンペAWARDS+」
- 会期:2014年8月20日(水)〜9月15日(祝・月)最終日午後5時閉場・入場無料
- 会場:松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 共催:工芸都市高岡クラフトコンペ実行委員会
- 企画・会場構成:小泉誠
第43回デザインサロントーク
審査員、作家、地元の立場から現状とこれからを語る。
- 日時:2014年8月20日(水)午後5時〜6時
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 出演:小泉誠、下尾さおり、松原博
- 参加費:無料
- 申し込み:不要
- 定員:着席可能20名程度
詳細につきましては、このWebサイトまたはTwitterにてお知らせいたします。
期間限定ショップ
高岡のデザインクロフト商品の販売
8月20日(水)〜26日(火)/株式会社 織田幸銅器
8月27日(水)〜9月2日(火)/株式会社 山口久乗
各回最終日午後6時閉場