この企画は、地場産業、伝統産業の在り方を探る、前回661回目に開催の「飛驒春慶×日本デザインコミッティー/椀一式 — 使う漆器へ」の第二弾目となるものです。
長年の伝統によって培われた産業の多くは、その時間の経過の中で、デザインを洗練させた美しい製品を数多くみかけますが、時代の流れの中で使われる機会が失われ、忘れられてしまったモノや宣伝力の乏しさから人々の間に浸透しきれていないモノも多数あります。春慶塗もそうした存在の一つです。
日本デザインコミッティーでは、前回開催の「椀一式」の流れから、今回は、「見立」という点に着眼いたしました。
茶道具として発展してきた春慶塗を現代の視点から見つめ直し、その魅力の再発見を「椀一式」に参加した同じ8人のデザイナーが行いました。「春慶塗」の魅力を同展で語り尽くします。
展覧会概略
- タイトル:第662回デザインギャラリー1953企画展 飛騨春慶×日本デザインコミッティー「重と箱 — 見立てる器」
- 会期:2010年1月27日(水)〜2月23日(火)
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 共催:日本デザインコミッティー、(財)飛騨地域地場産業振興センター、(財)岐阜県産業経済振興センター デザインセンター
- 展覧会担当:原研哉(プロジェクト+展覧会+書籍のディレクションを担当)
- 見立て人(日本デザインコミッティーメンバー):深澤直人、原研哉、岩崎信治、川上元美、小泉誠、黒川雅之、松永真、佐藤卓
書籍
「展覧会で発表した8作品の紹介」が主な目的となる書籍。8作者がそれぞれの作品に対するコメントを寄稿。職人との対 談、制作に関わったデザイナー同士の対談なども計画され、春慶塗をさまざまな面から俯瞰する構成となっています。また、ここで制作された「椀一式」を実用 品なので、実際に使われている状況も再現する方法(=料理を盛りつける)を加えます。見て美しく、実用に繋がるヒントある書籍です。
- タイトル:飛驒春慶×日本デザインコミッティー「椀一式 — 使う漆器へ」(Amazon.co.jp)
- 発行:日本デザインコミッティー
- ディレクション:原研哉
- 編集協力:橋本麻理
- 写真:石井宏明
- 出版社:実業之日本社
- A6判/151ページ/1,995円