鈴木八朗のデザインは日本の風土を吹き抜ける風邪である。時にはそよそよと軽やかに心地良く感触を刺激する。しかし時として嵐を予感させ、又竜巻を吹き上げる。日本中をくまなく駆けめぐる国鉄のデザインは、そんな鈴木の特質を遺憾なく発揮している。日本の伝統を解体し全く新しい視覚のコラージュによるB倍判のポスターの数々は、今巨大な国鉄のレクィエムを奏でている。(永井一正)
展覧会概略
- タイトル:第369回デザインギャラリー1953「さようなら日本國有鐵道 鈴木八朗の15年 DISCOVERからEXOTICまで」
- 会期:1987年4月17日〜4月29日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:永井一正