あのクールな素材で幾何学的なフォルムをなんとも人間くさいディテールで作ってみせる葉祥栄君がおもしろいことを始めた。人間くさい木材という素材を用いて、クールでシステマティックなディテールで、阿蘇郡小国町に公共施設群をつくろうというのだ。小国杉の間伐材問題を、逆手にとった葉君の仕事振り、それ自体興味深いが、それが同時に建築技術上の実験でもあり、又地域の産業や文化、そして年の壮大な実験でもあるのだから興味はつきない。(黒川雅之)
展覧会概略
- タイトル:第341回デザインギャラリー1953「葉祥栄 木の建築 FORMS IN WOOD」
- 会期:1985年8月9日〜8月28日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:黒川雅之
- 協力:株式会社新建築社