今、過熱気味なほど進んでいるのは、ショップ・デザインだろう。中でも、ファッション・ブティックのショップ作りはめざましい。才気ある若手デザイナーが輩出しているし、多くの先鋭なデザインも生まれ、その手法も世界から関心を集めつつある。そういった渦中で、杉本貴志、パートナーである高取邦和の率いるスーパーポテトの活動は、まさに気力充実、デザインの密度も際立って高い。杉本貴志の新しさは、商品であるファッション・デザインと、空間デザインの両者が、対等な姿勢にある。——今回の展覧会では、彼の造形の原型ともいえるイメージスケッチを箱に託して展開する。ご期待下さい。(粟辻博)
展覧会概略
- タイトル:第321回デザインギャラリー1953「空間・箱–イメージの存在・杉本貴志」
- 会期:1984年4月13日〜5月3日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:粟辻博