200点近い折りたたみのできる平面であり立体であるこれらの作品群は、総てハガキの大きさである。これは茶谷氏が年賀状を3次元にしたいという考えからはじまったためである。しかし、彼の創造的追求心はそれを単なる年賀状に終らせることなく、ケチンクや図学など彼本来の学問的背景や造形性が加わり、高度な表現体にまで至ってきた。2つに折られた紙の中から現れるさまざまな形は、平面から立体に移行する軌跡の楽しさとともに、その可能性の深さを感じさせてくれる。(伊藤隆道)
展覧会概略
- タイトル:第293回デザインギャラリー1953「茶谷正洋・折紙建築展」
- 会期:1982年8月13日〜8月25日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:伊藤隆道