広告のベテラン・向秀男の作る広告には既に定評がある。見る者をハッとさせるファショナブルな派手さはないが、「これが広告」であると云うスタンダードな魅力がある。その作風の誠実な姿勢が紀文との出合いで見事に結実した。地味な食品広告の質をここまで高めた力量は並のものではない。コピーからデザインまで一人の作業で一貫して作られる向の広告は、分化された広告の世界ではまれな存在である。(伊藤憲治)
展覧会概略
- タイトル:第268回デザインギャラリー1953「デザイナーと企業シリーズ19 向秀男・と・紀文」
- 会期:1981年2月13日〜3月4日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:粟辻博
- 協賛:株式会社紀文