紙は日本文化にとって、非常に重要な役割を担って来た最も扱いなれた素材である。一枚の紙が折られて美しい形を現わす折紙や、生活空間を形づくる障子の様に。尾川宏氏は、この様な素材で、数学的秩序にもとづく創造を行なって来た。今回は分割と単位の集積がテーマである。フォルムは、人間の心の形を反映し、無限の可能性を表現する。この紙が作りだすフォルムの中の空間と時間は、見る人の心を誘いこむであろう。(松本哲夫)
展覧会概略
- タイトル:第204回デザインギャラリー1953「尾川宏 紙のフォルム」
- 会期:1977年5月27日〜6月15日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:松本哲夫