日本でも古くから使われていた藤。戦前は、乳母車とか簡易な夏のためのイスなど、低いイメージからなかなか抜け出せなかった。15年前に、渡辺 力が山川ラタンと協力して開発したデザインが、始めて籐家具に新風を吹きこみ、ミラノのトリエンナーレ展で金賞を受けた。数年前には、剣持 勇のイスが、ニューヨーク近代美術館で買上げられた。藤はむしろ高級感さえ持たされている。軽い、曲がる、編める……他の材料に見られないこの特性が、次の世代のデザインにどう受けつがれてゆくのだろうか。(渡辺力)
展覧会概略
- タイトル:第105回デザインギャラリー1953「〈日本の家具シリーズ〉山川ラタン」
- 会期:1972年3月24日〜4月5日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:渡辺力
- 協力:株式会社山川ラタン