店主口上
漆は「漆の木」から採れる樹液です。今でこそ高級素材という印象ですが、昔は塗料や接着剤として、日常に使われてきた身近な素材です。最近では木製の木地に漆を塗った椀などが一般的ですが、古くは、紙、竹、布など様々な素材に漆が施され、それぞれに優れた性能が生まれてきました。
今回の銀座目利き百貨街では、パーティー用の木製スプーンの形を削り口当たりが良いように先端を磨いた木地と、打ち上げ花火の玉皮(再生段ボール紙)に手を加えた生地に漆を施し、身近な道具を用意しました。
銀座目利き百貨街「こいずみ小道具店」
- 店主:小泉誠
- 会場:松屋銀座 7階 デザインコレクション
- 2020年1月22日(水)― 3月3日(火)最終日午後7時閉場
◎開催時間等については、松屋銀座のWebサイトにて、営業日・営業時間をご参照ください。
「銀座目利き百貨街」について
きれいに足並みを揃える「製品」然としたものよりも、広い世界から個性的な店主の手でつかみ取ってきた逸品を見たい。評価の定まったものよりも、選者のふるいの目の独自性を尊重し、さらに自分の眼をくぐらせて価値を判定したい。世の中のそんな気分に呼応するように、過去三回に渡って開催された「銀座目利き百貨街」が、ご好評にお応えして再び登場。日本デザインコミッティーの会員が交代で店主となり2年間次々と展開します。「目利き」は真贋を判定するアカデミックな鑑定眼という意ではなく、個性的な仕事をしている店主ひとりひとりの目を活かして、ここでしか出会えない商品を選定している点に由来しています。