猫に読みきかせる本(店主 柏木博からのメッセージ)
猫は一日中ほとんど寝ているように見えます。けれど、じつはじっと耳をすまして、家族の話やまわりの音を聞いているのです。そして、猫は賢いので実はすべてわかっているのです。
乱暴なクロが通り過ぎたり、すました三毛子がやって来たりしていることも、寝ているようでわかっているのです。
むかし、母さんが毛づくろいをしてくれたことも、妹がそばで泣いていたこともみんなおぼえています。
だから、猫に本を読みきかせると、うれしそうにだまって寝ています。聞きながらふわふわするやさしい母さんのそばで寝ていたことを思い出しているのです。
猫が喜ぶ本は、もちろん、人の子やおとなにも楽しい本です。
銀座目利き百貨街「猫風子商店」
- 店主:柏木博
- 会場:松屋銀座 7階 デザインコレクション
- 期間:2019年11月1日(金)― 26日(火)最終日午後7時閉場
「銀座目利き百貨街」について
きれいに足並みを揃える「製品」然としたものよりも、広い世界から個性的な店主の手でつかみ取ってきた逸品を見たい。評価の定まったものよりも、選者のふるいの目の独自性を尊重し、さらに自分の眼をくぐらせて価値を判定したい。世の中のそんな気分に呼応するように、過去三回に渡って開催された「銀座目利き百貨街」が、ご好評にお応えして再び登場。日本デザインコミッティーの会員が交代で店主となり2年間次々と展開します。「目利き」は真贋を判定するアカデミックな鑑定眼という意ではなく、個性的な仕事をしている店主ひとりひとりの目を活かして、ここでしか出会えない商品を選定している点に由来しています。