デザインギャラリー1953

第727回デザインギャラリー1953企画展 伝統の未来|08|刃物「包丁のカタチ」

この度、日本デザインコミッティーでは、第727回デザインギャラリー1953企画展といたしまして、「伝統の未来|08|刃物『包丁のカタチ』」を開催いたします。

日本デザインコミッティーは、60年に亘る活動の中で、さまざまなデザインにフォーカスし、展覧会や生活のための商品を通して、良いデザインとは何なのか、という課題を追求し続けてまいりました。日本の文化の本質を探ることも活動の一環であり、機会があるごとに伝えてまいりました。日本の文化や観光が外国人に多く賛同されるようになった今、私どもの継続してきた活動はさらに重要性を増したように思われます。

2016年秋、松屋銀座8階のイベントスクエアにおきまして、日本の文化の実力や可能性を探る展覧会企画 「伝統の未来」を展開いたします。それに伴い、7階のデザインギャラリー1953におきましても日本の優れたデザインや伝統、文化、産業などをテーマにする展覧会企画を連続して展開いたします。

その第8回目の企画展として、プロダクトデザイナー・柴田文江が「包丁」をテーマに展開いたします。 日本国内には、包丁の産地が複数ありますが、特に今回は、燕三条にフォーカスします。

関や堺などの刃物産地は、「刀」を起源に発展してきた産地ですが、燕三条は、和釘や鎌、鍬などの「農具」を起源に発展してきた産地です。農具としての刃物は、さまざまな用途を求められ、その求めに応じて、最適な形状を模索し、現物の刃物に仕上げてきました。燕三条の刃物の形状に多様性が見られるのはそのためです。

本企画では、私たちの生活の中ではあまり見ることの出来ない刃物を紹介しますが、人々の暮らしに寄り添ってきた燕三条の刃物の歴史や技術の高さを感じ取っていただきたく思います。キャベツ切り、ウナギ裂など珍しい包丁がズラリと並びます。

展覧会担当 柴田文江からのメッセージ

使いみちや、使う人の好み、鍛冶の工夫により
様々な包丁が人々の暮らしを支えてきた。
道具のカタチはそうやってできている。
和釘づくりから発生した燕三条の鍛冶産業は、全国の農村、漁村からの
細かな注文に応えることであらゆる刃物をつくりその技術を磨いてきた。
本展では、中でも暮らしに近い「包丁」に対象をしぼり、
産地燕三条のものづくりから、
日本の刃物のカタチを浮かび上がらせる試みです。

展覧会概略

  • タイトル:第727回デザインギャラリー1953企画展
    「伝統の未来|08|刃物 『包丁のカタチ』」
  • 会期:2016年8月17日(水)〜9月12日(月)午前10時〜午後8時・最終日午後5時閉場・入場無料
  • 会場:松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
  • 主催:日本デザインコミッティー
  • 協力:庖丁工房タダフサ/三条市
  • 展覧会担当:柴田文江