デザインギャラリー1953

第725回デザインギャラリー1953企画展 伝統の未来|06|漆 「漆+素材=性能」

この度、日本デザインコミッティーでは、第725回デザインギャラリー1953企画展といたしまして、「伝統の未来|06|漆 『漆+素材=性能』」を開催いたします。

日本デザインコミッティーは、60年に亘る活動の中で、さまざまなデザインにフォーカスし、展覧会や生活のための商品を通して、良いデザインとは何なのか、という課題を追求し続けてまいりました。日本の文化の本質を探ることも活動の一環であり、機会があるごとに伝えてまいりました。日本の文化や観光が外国人に多く賛同されるようになった今、私どもの継続してきた活動はさらに重要性を増したように思われます。

2016年秋、松屋銀座8階のイベントスクエアにおきまして、日本の文化の実力や可能性を探る展覧会企画「伝統の未来」を展開いたします。それに伴い、7階のデザインギャラリー1953におきましても日本の優れたデザインや伝統、文化、産業などをテーマにする展覧会企画を連続して展開いたします。

その第6回目の企画展として、家具デザイナーの小泉誠が漆の可能性をテーマに本展を企画いたしました。

私たちは生活の中でさまざまな漆器を使います。お椀、お盆、箸など食卓では欠かせない道具ですが、これらの多くに漆が使われています。最近、ブームになっている金継ぎにも漆は使われます。塗料として、接着剤として、漆には、高い性能が備わっている訳です。今回の企画では、この漆に着目してみました。木の素地だけだはなく、金属、土、紙、ガラス、石、3D樹脂などさまざまな素地に漆を塗ることを試みます。漆の塗布によりそのものの性能が変化したり高くなったりする、「漆+素材=性能」の可能性を追求します。

展覧会担当 小泉誠からのメッセージ

漆は、「うるしの木」からとれる樹液です。今でこそ高級素材という印象ですが、古くから塗料や接着剤として、日常に使われてきた性能素材です。漆器というと、木製の木地に漆を塗った椀などが、今では一般的ですが、古くは、紙、竹、布など様々な素材に塗られ、それぞれにすぐれた性能を施してきました。
今回は、改めて「漆+素材」に向き合い、そこから生まれる「性能」に目を向け、伝統素材の未来を見つめてみたいと思います。

展覧会概略

  • タイトル:第725回デザインギャラリー1953企画展
    「伝統の未来|06|漆 『漆+素材=性能』」
  • 会期:2016年5月18日(水)〜6月13日(月)午前10時〜午後8時・最終日午後5時閉場・入場無料
  • 会場:松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
  • 主催:日本デザインコミッティー
  • 監修:桐本泰一
  • 協力:高岡市デザイン・工芸センター/富山県総合デザインセンター/輪島キリモト/佐久間年春/菅原工芸硝子/山口信博
  • 展覧会担当:小泉誠