この度、日本デザインコミッティーでは、第674回デザインギャラリー1953企画展といたしまして、有田焼の新しい在り方をテーマとした企画展「有田四様(ありた・よんよう)」を開催の運びとなりました。有田の磁器生産の歴史は古く、17世紀初頭、豊臣秀吉が朝鮮から陶工を連れてきたのがきっかけです。長い時間を経てその技術は研ぎすまされ、日本人の繊細な技巧と相まって、比類ないものへと発展を遂げました。さまざまな時代を経て、有田焼は完成度を高めてゆきましたが、その骨格となる様式が四つあります。
「初期伊万里様式」「柿右衛門様式」「鍋島様式」「金襴手古伊万里様式」がそれにあたります。それぞれ独特の特徴と美しさを備えて人気を博する四様式ですが、この伝統の有田四様式とデザインを掛け合わせたらどういう製品が生まれるのか、という期待、また、現代生活の中に浸透させ、新たな可能性を拡げるという目的の元、計画されたのが、有田四様のプロジェクトです。本企画では、それぞれの様式に3人のデザイナーと1人の画家が取り組みました。
- 初期伊万里様式=佐藤晃一(グラフィックデザイナー)
- 柿右衛門様式=吉澤美香(画家)
- 鍋島様式=高橋正(テキスタイルデザイナー)
- 金襴手古伊万里様式=永井一正(グラフィックデザイナー)
会場デザインは、インテリアデザイナーの近藤康夫氏。それぞれの技法によって生まれた、大皿、取皿、そば猪口、食卓を彩る美しい磁器各種を展示いたします。ご高覧下さい。また、展示品は限定数にて購入可能となっております。
※本企画「有田四様」は、2005年に発表した「有田HOUEN」の第3弾目のシリーズとして、本年度デビューするものです。
窯元=有田製窯 池田製陶所 陶悦窯 李荘窯/販売元=キハラ
展覧会概略
- タイトル:第674回デザインギャラリー1953企画展「有田四様」
- 会期:2011年3月23日(水)〜2011年4月18日(月) 朝10時〜夜8時、最終日午後5時閉場
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 協力:侘助
- 印刷協力:株式会社サンエムカラー
- 会場デザイン:近藤康夫
- 協賛:株式会社キハラ
- 展覧会担当:永井一正
トークショーのご案内
4月16日(土)、17日(日)の2日間、プロジェクトに関わりの深い方々を迎えてトークショーを開催します。400年の歴史を背景に今日まで継承、発展し続けている有田焼をご理解いただく機会にしていただければ幸いです。詳しくはこちらをご覧ください。
有田を代表する四様式について
- 初期伊万里様式:
1610年代~1650年代の作品。落ち着いた色調、自由で勢いのある筆致、
温かみある柔和な釉調が特徴。 - 柿右衛門様式:
乳白色の生地に非対称的で余白を生かした絵画的な構図。
赤、黄、緑、青、一部に金、まれに紫が使われている。 - 鍋島様式:
規則正しく柄を配する構図など精密なデザインが特徴。
染付の藍色、上絵の赤、緑、黄の四色で構成されている。 - 金襴手古伊万里様式:
金彩と赤色など多彩な顔料で絢爛豪華に絵付された磁器。
17~18世紀、海外にも盛んに輸出された。
「有田四様」でご紹介している各種展示物は、販売いたしております。
ご希望の方は、松屋7階デザインコレクション売場までお問合せ下さい。
- 取皿:2100円〜7350円(税込)
- 大皿:15750円〜39900円(税込)
- そば猪口:2100円〜3675円(税込)