この度、日本デザインコミッティーでは、インテリアデザイナー・内田繁の“厨子”に関する仕事を取り上げます。
厨子は、一般的に仏像(ご本尊)や教典が安置される戸棚形の箱です。古くは飛鳥時代に制作された“玉虫厨子”はつとに有名ですが、時代が下った現代では、“モダンな仏壇”として、人々の間に浸透しはじめています。
内田氏は、「日本人の生活が大きく変貌するなか、多くの道具は、新たなイメージを獲得し、今日的生活に適合するように変化してきた。その中にあって、仏壇の形態や装飾は、古式蒼然とし、日常空間に違和感を覚える。日本の暮らしの開拓を担うインテリアデザインの立場から、私たちは具体的な解答を提示しなければならないと考えている。」と新しい厨子の形に対するメッセージを寄せています。
本展では、7種類の厨子のバリエーション、そして、厨子の中に納める具足類十数点を展示いたします。インテリアデザイナーが提唱する現代に則した祈りのかたちをご紹介いたします。
展覧会概略
- タイトル:第659回デザインギャラリー1953企画展「内田繁の厨子 −新しい祈りのかたち−」
- 会期:2009年9月17日(木)〜10月12日(月) 最終日午後5時閉場・入場無料
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 協賛:アルテマイスター
- 具足デザイン:伊藤慶二(陶芸作家)、小泉誠(デザイナー)、辻和美(硝子造形作家)、久村卓(造形作家)、森豪男(デザイナー)、若杉 聖子(磁器造形作家)
- 展覧会担当:佐藤卓
アルテマイスター有限会社
アルテマイスターは、1900年創業の福島県会津若松の地場産業です。創業以来、家の精神の場として仏壇仏具の製造販売を一貫して手がけてきました。1990年代に入り、デザイナー・工芸家とアルテマイスターの職人集団のコラボレーションによる現代の祈りのかたちの模索・開発を続けています。