原研哉のグラフィック・デザインを見ると現代感覚の最も良質の部分が香ってくるように思う。そういった意味で原は現代感覚を鋭く表出するデザイナーであるが、それだけに留まらず独自の個性が形成されているのは、デザインに内在する凛とした姿勢の正しさであろう。決して声高に叫ぶのではなく、静けさのなかに る張りつめた神経が不思議な空間と造型とタイポグラフィを一分の隙もないデザインとして昇華していく。それでいてゆったりとした優しさに満ちているのは原の人間性であろう。(永井一正)
展覧会概略
- タイトル:第448回デザインギャラリー1953「原研哉 グラフィックデザイン展」
- 会期:1992年5月13日〜6月1日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:永井一正
- 協賛:株式会社竹尾