小田原の組木は、素材の木と組立ての技から、釘を使わずに柱や梁をくみたてる日本古来の建築技法を思いださせる。江戸末期に一度絶えた組木を、明治後年に再興した山中常太郎氏から四代目の成夫氏は代々受けつがれた組木を、みごとな”造形”にまでひきあげて論理と造形の調和をたくみに創りだした。組立てに知らずしらずのめりこんでいく面白さ、木の感触とすぐれた造形、山中成夫氏の組木は、日本人の肌と頭でうみだされた独特な工芸品として海外にもひろく紹介されている。(長大作)
展覧会概略
- タイトル:第224回デザインギャラリー1953「組木の造形」
- 会期:1978年8月4日〜8月17日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:長大作
- 協力:山中成夫