イタリーデザインの栄光を支える陰に、日本人デザイナーがいる、とよくいわれる。もはや日本人抜きのイタリーデザインは考えられないー。こんな冗談もきかれる。それほどに密着した存在であるらしい。何が彼らを魅きつけるのであろうか。日本の現状を考えると、逆に問題提起をつきつけられているような気がする。まさか、うまくて安いイタリー料理とワインのためだけではないだろう。ここに登場するのは、フリーランスデザイナーとして、あるいは恊働者として、ミラノを中心に活躍している人たちである。(渡辺力)
横山さんは、照明器具のデザインにおいてもユニークな傑作が多く、氏の多才さと活動の巾広さを物語っている。今回は、本命とするガラスワークの展開である。理想とするデザインと、それを受け入れる市場とのギャップを痛い程知る氏にとって、この個展ではそれなりの決意と解答を用意されているーたとえ小さい1個のガラス器であっても、生活を大きく豊かに変革してしまう力と思想をもった日本の貴重なデザイナーである。(栗辻博)
残暑お見舞い申し上げます。涼しそうなものがよかろうというので、包丁をお目にかけます。(包丁)というのは、中国の有名な料理人の名前だそうですが、日本のお料理割烹というぐらいで、中華料理よりも包丁さばきの割合が大きいようです。それだけに、日本の包丁は、日本刀のように、鑑賞価値もあるようです。どうぞご覧下さい。(清家清)
展覧会概略
- タイトル:第134回デザインギャラリー1953「在伊日本デザイナー展」
- 会期:1973年9月7日〜9月19日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:長大作
- 協賛:’73 Design Year
- 協力:クラレインテリア株式会社