Design Gallery 1953

The 660th Design Gallery 1953 Exhibition “Jun Igarashi + Kyoko Matsuoka: Crossover of Young Architects from Hokkaido and Kyushu”

五十嵐淳氏は北海道を、松岡氏は九州を拠点に活動を行う若き建築家です。二人の背景にあるものは、まったく異質なものです。本企画の担当でコミッティーメンバーの平野敬子は、二人の仕事について、以下のようにメッセージを寄せております。

『五十嵐淳は北海道の佐呂間と札幌を活動拠点とし、建築の理想に邁進する。ナイーブな感受性と純粋性、そして深い洞察から紡がれる五十嵐の建築理念はすでに高い評価を受けおり、台頭する若手建築家の中でも圧倒的な存在感を示している。

松岡恭子は九州の福岡を活動拠点とし、建築の理想に邁進する。安定性と平静心、筋を通す気概。「新北九州空港連絡橋」のデザインにおいて、13年間にわたる橋の構築という、土木のフィールドの仕事をやり遂げた実績が、松岡の建築の態度を端的に表している。

若手建築家の展覧会を開催したいと考えた時、二人の顔がすぐさま浮かんだ。北海道と九州の地方都市を活動拠点とすることが唯一の共通項である二人の仕事のスタンスは、活動拠点が地方都市であることの必然を提示する。これはインターネットをはじめとする情報のインフラが整備された現代でしか成立しないユニークなスタイルである。ホームグラウンドと東京、そして世界を活動媒体とし、縦横無尽に飛び回るライブ感からは微塵も負荷は感じられず、自然体であることに驚かされ、そのスタンスに時代の先端性を見ている。

今回は「すでに自己を確立している建築家の二人展」という難しいテーマを、お二人に投げかけたわけであるが、お二人は二人展である必然性を誠実に模索してくれているようであり、どのような回答が導き出されるのか、銀座松屋の小さなギャラリースペースにおいて、異なる個性が交錯し、そこから生み出されるエネルギーの量と質に、期待している。
──平野敬子

展覧会では、二人の代表的な作品5点前後をイメージの画像や写真、図面などに組み合わせ動画の形で紹介いたします。
会場を訪れると、北海道と九州というまったく異質な気候、風土、自然に対峙する、あるいは融合するそれぞれの建築への考え方や建築家の在り方に触れることができます。

展覧会概略

  • タイトル:第660回デザインギャラリー1953企画展「五十嵐淳×松岡恭子 — 北海道と九州の若き建築家の交錯展」展
  • 会期:2009年10月14日(水)〜11月9日(月) 最終日午後5時閉場・入場無料
  • 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
  • 主催:日本デザインコミッティー
  • 協力:EPSON  wowlab(映像) エナミケンジ(graphic)
  • 展覧会担当:平野敬子

五十嵐淳+松岡恭子トークショーのお知らせ

10月14日(水)午後4時〜5時、アップルストア銀座にてお二人のトークショーを行います。
モデレーターは、本企画担当の平野敬子。詳細は、日本デザインコミッティー事務局までお問合せ下さい

プロフィール

第660回デザインギャラリー1953企画展「五十嵐淳×松岡恭子 − 北海道と九州の若き建築家の交錯」展