物には様々な意味があります。使うための物、気分や身分を象徴する物、コレクションすること自体を歓びとする物、人を喜ばすことを主目的とする物、使用目的を離れて愛好する対象としての物、そして商品という交換価値を持つ物。それらの意味とともに、実は物には「思想を表現する」重要な側面があります。この物の溢れる時代、しかも地球の生態系を破壊しかねない現代の物の意味をここでは、「思想の表現性」を中心にした多様な意味の織物としてとらえ、展覧会の形式で表現したいと考えました。これからの時代をリードする11人の若いデザイナーの手になるこれらの物を通じて、その人の思想を読みとり、物が持つ意味の重大さに思いをはせていただければ幸いです。(黒川雅之)
展覧会概略
- タイトル:第542回デザインギャラリー1953「Designer’s Catalogue–4」
- 会期:1998年10月7日〜10月26日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:黒川雅之