黒川さんは建築家というワクを拡げて、大胆に貪欲にあらゆるデザインんい向って突進している人です。今一番油が乗っていて、なにを作っても面白いものが出来るという状態のデザイナーのひとりです。このチャンスをのがさず企画したのがこの展覧会です。黒川さんに展覧会のテーマを聞いてみたら一片の紙切れに空間のワキ役達と書いてくれました。フック、ノブ、照明器具、タイル、灰皿などのことでしょうか。成程空間のワキ役とは、うまいことを言ったものです。恐らく、この展覧会は黒川さんの歴史の上で、一本の楔となることに間違いないでしょう。ぜひ見ていただきたい展覧会です。(亀倉雄策)
展覧会概略
- タイトル:第194回デザインギャラリー1953「黒川雅之 プロダクトデザイン展」
- 会期:1976年11月5日〜11月24日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:亀倉雄策