伝統的な大工道具は、明治維新の廃刀令により刀匠から転業した道具鍛冶たちが、使い勝手や意匠にさまざまな工夫を凝らして飛躍的に発達したということです。土田一郎氏は家業の鋸の目立ての仕事のかたわら、これらの大工道具の魅力二にとりつかれ、長年多くの良い道具を集めてこられました。今回は2万点にのぼるコレクションのなかから150点余りを展示します。また秋山実氏は建築写真や、ミクロの世界の顕微鏡写真の専門家として夙に著名な方ですが、土田氏のコレクションにすっかり魅了され撮影してこられました。優れたものをみつめる確かな目でとらえた写真も美しい道具の姿をより鮮明に見せてくれることでしょう。(長大作)
展覧会概略
- タイトル:第291回デザインギャラリー1953「大工道具」 その用と美
- 会期:1982年7月16日〜7月28日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:長大作