数多くの企業によって多種類の住宅部品が次々と開発され、売出されて、それでなくても混乱を極めている我国の住宅デザイン事情のなかで、「住宅部品公害」といってもよいような状況を呈している昨今です。住宅を総合的な視点からとらえてデザインをしている建築家達のなかで、「部品から全体の再構築」を最も重要なテーマとして建築の設計に当っている黒川哲郎さんは、10年前にガラスブロック「コロナ」をデザインして以来、数多くの部品を手がけてきています。もうけるため、または単なる合理化のためといった企業の側からではなく、総合的にものを視て使っているデザイナーの側からの発想による部品の開発は大切なことではないかと思います。(長大作)
展覧会概略
- タイトル:第280回デザインギャラリー1953「黒川哲郎・建築の部品」
- 会期:1981年10月16日〜10月28日
- 会場:松屋銀座7F・デザインギャラリー1953
- 主催:日本デザインコミッティー
- 展覧会担当:長大作
- 協賛:日本電気硝子株式会社、株式会社建築知識