このあかりつきの小さなテーブルに「自由時間」という名前をつけた。確かに自由になりたいと思う時間が一日の中に何度かある。普段の自分が不自由であるとは思わないが、たくさんの人々や社会に対していつも気を使って生きている。だから「自由時間」は自分のことだけを考えてよい時の相棒になれればと願った。通常それは夜にやってくる。我が家であれば最もきれいな時間は黄昏どきだ。隅田川に面したマンションの六階なので、薄暮の時間に水面に映りこんだ銀座方面の景色が心を揺さぶる。この時間に「自由時間」がやってくる。夏の夕暮れならビフィーターのジントニック、冬の夕暮れなら泡盛古酒のお湯割りか。グラスをウォールナットの木目に沿わせて直に置き、奥の天板に指を滑らせて上蓋を開けると、中から暖かい間接光が溢れ出る。「今日も一日頑張ったね」と自分に言い聞かせる。私はこの気持ちを働きさかりの女性にも共有して欲しいと思った。さて彼女たちの心を癒すことができるだろうか。

W900×D500×H720

ブラックウォールナット
税込294,000円（税抜280,000円）

◎2008年11月末発売予定

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