JAPAN DESIGN COMITTEE

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ふたつの八栗(はちぐり)

原研哉|グラフィックデザイナー

プロフィール

春慶塗は箱や盆に特徴がある。生地をロクロでひくような回転体が主流ではない。ならば箱を作る指物で椀を作ってみようと考えた。八角椀はそのような経緯で生まれてきたものである。角張った器といえば樂焼の初代、長次郎の黒樂に「ムキ栗」という茶碗があり、ぼってりと分厚い四角形が記憶にあった。側面は垂直面をなし、まるで箱のようであるが、裾はすっとすぼまり高台に収斂している。高台も四角である。そのユニークな形が頭に浮かび、そんな形なら指物の技術でできるのではないかと考えた。ただ、四角だと汁を啜るには不都合なので、八角形にして実用性を持たせている。

これは平面の板から立体に立ち上げていく椀である。木地師の西田さんは、図面を見た当初は当惑されていたようだが、最後には、ぴしりと端正な八角の椀に仕上げてくれた。漆を塗る前の、生地のままの八角椀は、まるで神事に供される器のように神々しく潔癖な印象で、日常使いの器としては硬質すぎるように思われた。しかし塗師の滝村さんの塗りによって、椀は半透明性を帯びた黒い塊に変容しており、まさに作りたかったものがそこに顕現していた。図面通り仕上がっていく冷たい工業製品と異なり、職人の手を幾重にも通す工芸品は工程を経るほどに血が通い完成度を深めていく。

食卓の上で裃を着け、かしこまりたい日の椀一式。ここ一番の手間を掛けた出汁は影さえ見せずに黒を透かし、舞台のど真ん中には蛤が座す。明るく浄い白米は、八百万の神々との直会にふさわしい。

  • 椀一式(紅)

    汁椀飯碗箸盆

    品番 SI-HA-1
    セット内容 汁椀(紅)、飯碗、箸、盆(紅)
    価格 ¥122,040
  • 椀一式(黒)

    汁椀飯碗女箸盆

    品番 SI-HA-2
    セット内容 汁椀(黒)、飯碗、箸、盆(黒)
    価格 ¥122,040
  • 汁椀(紅)

    汁椀

    品番 SKW-HA-紅
    寸法 105×105×88mm
    春慶色
    材質 ひのき
    価格 ¥43,200
  • こちらの品物は完売いたしました
  • こちらの品物は完売いたしました
  • こちらの品物は完売いたしました
  • 汁椀(黒)

    汁椀

    品番 SKW-HA-黒
    寸法 105×105×88mm
    春慶色
    材質 ひのき
    価格 ¥43,200
  • こちらの品物は完売いたしました

上写真は椀一式(黒)のものになります。また、椀一式(紅)・(黒)は、汁碗・盆の色違いとなります。

椀一式・寸法図

ご購入について(必ずお読みください)

ご購入のお手続きについて

ご注文フォームにてご注文後は、下記「ご購入の流れ」に添って、メールでのお手続き・ご対応をさせていただきます。
日本デザインコミッティー・個人情報保護方針
特定商取引法に基づく表記

ご注文から商品のお受け取りには、最大で8ヶ月間お待ちいただいております。

飛騨春慶塗はその商品特性上、生産に長い期間がかかり、また生産数も限られております。具体的な商品の到着時期、在庫 の有無に付きましては、お手数ですがご注文後のメールにてご対応させて頂いております。

ご購入の流れ

1. ご注文メール送信 ご注文ボタンから注文すると、日進木工(株)様にメールが配信されます。
2. ご確認メールお受け取り・
納期の確認
ご担当者様より注文確認のメッセージが到着いたします。大まかな商品の到着時期を
お答えさせて頂きます。
3. ご入金 ご入金はメールに記載されている振込先への銀行振込のみとなります。
4. お受け取り 商品が完成しだい、お手元に到着いたします。どうぞ気長にお待ちください。

春慶の取り扱いについて

漆はウルシの木から採取した天然の樹液(傷つけられた木が傷を塞ぐために分泌する)です。飛騨春慶はこの漆が完全に固まるまでの間、ゆっくり強度と透明度を増しながら本来の美しい色、濃褐色から淡い春慶色へと変化していきます。また木地師や塗師が多くの皆さまに使っていただくために、手間を厭わず、心を込めて製作した生活道具ですから、少々の傷などは気にされず、日常生活の中で気軽にお使いいただければ幸いです。末永くご愛用いただくために、以下の注意とお手入れ法とをご参考にしてください。

ご使用上の注意

塗り上げて間もない飛騨春慶は、体質によってかぶれる場合もありますので、取り扱いには十分ご注意下さい。かぶれやすい 方は取り扱いの際、手袋などの着用をお勧めします。

直射日光に当てることや、ストーブ、ガスレンジの近くなど高温になる場所に置くこと、電子レンジや蒸し器で加熱すること は避けてください。

食器洗浄乾燥機、冷蔵庫には入れないでください。

お手入れ法

塗り上げて間もない飛騨春慶は表面に油がにじみ出て、霧が噴いたような状態になりますので、その場合は柔らかな布で油を 拭き取ってください。にじみ出た油が固まってしまいますと、取れなくなります。油が落ちにくい場合は、薄めた中性洗剤を 柔らかい布やスポンジなどにつけて、水またはぬるま湯でやさしく洗い流してください。

ご使用後の油汚れは薄めた中性洗剤を柔らかい布やスポンジなどにつけて、水またはぬるま湯でやさしく洗い流してください。

クレンザー(磨き粉)や熱湯は使わないでください。スポンジも種類によっては傷の原因になることがありますので、十分に ご注意ください。

ご使用中の飛騨春慶の匂いが気になる場合は、しばらく風通しの良い冷暗所に置いて下さい。匂いは自然に消えます。

洗い桶の水などに長時間漬けておくと、変色、変形、ひびの原因になります。使用後は水またはぬるま湯で手早く洗い、水切 後は水滴の跡が残らないよう、乾かないうちに柔らかい布で水気をよく拭き取ってください。

弁当箱に米粒などがこびりついた場合は、ぬるま湯を短時間(10分以下)張り、米粒が浮き上がってきたら、柔らかい布か スポンジでやさしく洗い流してください。

新しい飛騨春慶の漆の匂いを早く取り除くには、米ぬかの中に数日入れておくか、酢水、あるいは少量の酢を加えた米のとぎ 汁で洗ってからぬるま湯ですすいでください。一回で匂いが取れない場合は、数回繰り返してください。