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造形を枝の形に委ね、唯一の姿形を得た匙は、豊かな自然に囲まれた長野の地で、版画家の沙羅とふたりで「アトリエ灯」として活動する貝山伊文紀の代表的な仕事である。緻密で丁寧な手作業によって生まれた生活道具は、使い勝手を含め合理性の対極に位置づくモノだが、合理では得られない、モノとの豊かなコミュニケーションを生み出す。 平野敬子